【アーティストインタビュー】2024年5月邦楽ヘビロアーティスト・Bye-Bye-Handの方程式のルーツに迫る!

ひゆう

 

こんにちは!!14期のひゆうです!!

今回の記事は、ワナラボ12回目のアーティストインタビュー!
(前回は、ビッケブランカさんを取材しました!こちらもぜひご覧ください!)

【アーティストインタビュー】 「今」を楽しむことが未来に繋がる!~Vicke Blanka’s DREAMに学ぶ~

 

今回インタビューを受けてくださったのは、

5月22日に1st Full Album「ソフビ」をリリースされたBye-Bye-Handの方程式の皆さんです!

Bye-Bye-Handの方程式(通称:バイハン)

Vo.&Gt. 汐田泰輝/ Gt. 岩橋茅津/ Dr. 清弘陽哉/Ba. 中村龍人

2015年5月に地元・大阪の中学の同級生で結成し、

2021年より現在のメンバーで活動中の4人組バンド。

2022年度No Big Deal Records Auditionでグランプリを獲得。

様々なジャンル・年代の音楽をロックに落とし込み、

正直に「今」鳴らしたい音楽と新しい格好良さを追求する。(公式より一部抜粋)

 

13期れいさんと、14期のりりか、15期のひぃと一緒に

対面でインタビューさせていただきました!

2024年5月のFM802邦楽ヘビーローテーション『ロックンロール・スーパーノヴァ』でもお馴染みのBye-Bye-Handの方程式。ルーツや新アルバムについてお伺いしました!

 

ルーツについて

ーーーまず、Bye-Bye-Handの方程式というバンド名がすごく印象的だと感じたのですが、このバンド名の由来などあれば、お答えいただきたいです。

 

汐田泰輝さん

中学を卒業する時に、茅津と陽哉とその当時のベースと高校でバンドやろうってなって、バンド名はみんなで決めるもんかと思いきや「全部任せるよ」みたいな感じで投げやりで。とにかく、意味よりもデザインとか、その後の機能する部分の方が大切っていうのがあって。で、その当時山下智久さんの『BABY BABY』と、Perfumeの『Hold Your Hand』を聴いていて、本当になんとなくで、BABY BABYと、Hold Your Handの名残が残って、Bye-Bye-Handになった、と思います。

 

岩橋茅津さん

それ、初めて聞いたよ(笑)。

 

汐田泰輝さん

なおかつ、小学5年生の時にRADWIMPSの「アルトコロニーの定理」っていうアルバムを買って、ギター始めたきっかけのなったっていうのもあって、それが基盤というか、「◯◯の方程式」、「◯◯の定理」みたいな。すごくややこしくなりましたけど(笑)。

 

ーーー「中学卒業したらバンドを組もう」という約束ですが、その時点でもうかなり早いなと感じました。その口約束が実現したことについて、これがあったから実現したとか、どの瞬間に本気になったのかなどお伺いしたいです。

 

岩橋茅津さん

音楽とか楽器に興味あった人同士、みたいなのがきっかけでボーカルの泰輝とは仲良くなったけど、ドラムの陽哉と一緒にやるっていう感覚は正直あんまりなかったし…(笑)。でも音楽に興味ある人たちっていうので集まったりはしてて。漠然とした感じやったんですけど、泰輝とはずっと友達でおるやろうなって思ってたし、中学卒業したらこいつとバンドやろうと思ってたんで、それがずっと続いてるっていう、中学の時の悪ノリじゃないですけど、一緒にやろうやって言ってたものの延長線ですね。だからまだ中学です(笑)。

 

清弘陽哉さん

やばい大人だね(笑)。

 

ーーー結成の当時からデビューされるまで約10年、こんなにも長く続くとは思っていらっしゃいましたか?

 

清弘陽哉さん

思ってませんでしたね(笑)。今でも、「こんなに長いことやってきたな〜」とか「これからも一生やるんやろうな〜」みたいな感じではない

 

汐田泰輝さん

ないね、確かにほんとにない。ついこないだのような気がする。それがこんなことになっちゃって。

 

中村龍人さん

僕なんか昨日(バンドに)入ったもんな。

 

汐田泰輝さん

一昨日始まって昨日入った。

 

中村龍人さん

感覚としてはね。

 

汐田泰輝さん

感覚としてはほんまにそのくらいの感じです。

 

ーーー地元が大阪の豊中市ということで、今回のアルバムにも収録されている『darling rolling』のMVでは、大阪の場所がたくさん映っていて印象的でした。今後挑戦してみたいMVや、撮ってみたい場所はありますか?

↑新アルバム「ソフビ」の5曲目に収録されている『darling rolling』

 

中村龍人さん

挑戦してみたいMV…。”ギリギリ”じゃないですか?場所というよりかは、限度ギリギリの何か。正直、スタジオを借りたらどこで撮っても一緒やし…。でも、場所で言ったら沖縄かな。

 

メンバーの皆さん

あ〜!いいね!

 

中村龍人さん

やっぱり、沖縄にいったらMVを撮って遊べるじゃないですか。遊びながらMV撮れるし。

 

岩橋茅津さん

それこそ、1回沖縄で撮りそうやったんですよ。

 

汐田泰輝さん

あぁそう、あったね。『あの子と宇宙に夢中な僕ら』は実は沖縄で撮影する予定やったけど、コロナが1番流行っていた時だったので、流れちゃったという。

 

中村龍人さん

なので場所は沖縄ですかね。内容で言ったら今以上の過激さかな。

 

汐田泰輝さん

まずいこと言ってるな(笑)。

 

中村龍人さん

MVって結構作って終わりというか、出して終わりみたいな感じがあるので、ちょっと話題性みたいなものがないと、みんな引っ掛からへんなと思ってて。そういった意味で、今回の『閃光配信』やったらちょっとエロに走ったんですけど、また違う過激さのやつもしてみたいな、と思います。攻めたMVを沖縄で撮る!(笑)

↑新アルバム「ソフビ」の4曲目に収録されている『閃光配信』

 

1st Full Album「ソフビ」について

ーーーアルバム名の「ソフビ」の由来について教えて頂きたいです。

 

汐田泰輝さん

「ソフビ」はソフビ人形というおもちゃからきています。大人になってからソフビ人形が、1000円くらいで売っていて、全然買えるなみたいな感じでちょっとテンション上がって買ったんですけど、枕元に置いて、それ以上に便利さや、これ以外の使い道がないなと思って。

でも、買ったその次の日から「家帰ったらソフビ人形あんのか」とワクワクした気持ちになったときに、音楽もまあ僕らもそうやし、音楽を好きな人たちはみんな「音楽がないと生きていかれへん」ってよく言う言葉で、僕らも思ってはいるけど実際のところ生きてはいけるじゃないですか。やっぱりご飯を食べないと生きていけないとか、寝るとこ確保してないと生きていけないとかと比べると、僕は音楽ってないと絶対に生きていけないものというよりかは、なくても生きていけるけどあったほうが嬉しいしプラスアルファやから幸せになるものなんじゃないかと思うところがあって、僕はソフビ人形を買ったときと音楽をやってるときの気持ちって結構同じかな、と。

あとは音楽を作る経験の前に何かを作ることに喜びを得たのは、ちっちゃい時に始めた人形遊びを結構いい歳までやってて、それを手放して次に始めたのが音楽やったというのもあって、何か作るとか主人公は誰にしようとか、そういう遊びの道具がギターとかメンバーになって、とかやから原点的な意味もあるかなっていうので「ソフビ」にしました。

 

ーーーソフビ人形のお話もありましたが、他に幼少期によく遊んでいたものなどありますか?

 

中村龍人さん

車が大好きなのでトミカで遊んでましたね。それこそ、戦わせるじゃないけど動かして遊んだりとか普通に置いとくだけでもかっこいい。

 

汐田泰輝さん

なんか立体駐車場とかあったよな。

 

中村龍人さん

あ、そうそう。自分で選べるのとか。並べてつけるとか、ガソリンスタンドがあって、それを自分で組み立ててみたいな。

 

汐田泰輝さん

車によってちょっと滑るスピードが違う。

 

清弘陽哉さん

おもちゃに詳しいな。おもちゃ王国やん!

 

岩橋茅津さん

僕も車。龍人も車好きやけど、僕の家も、家族のうち3人が男なんですけど、その男全員が車好きで、その影響でトミカもあったし、チョロQの方が多かったかな。カリカリカリってやって離したら動くやつ。あとは、子供用っていうより、車好きの人がコレクションとして集めてもいいくらいのレベルのものもあって、兄貴と2人でずっと遊んでましたね。

 

清弘陽哉さん

僕はレゴかな。あれはすごくいいおもちゃやね。説明書通りに作るやん?それを何個か集めたら、オリジナルを作ろうとするやん。

 

汐田泰輝さん

この説明書通りやと飽きるからね。

 

清弘陽哉さん

それを作ってその当時の僕の思い通りのものができた!って思って置いとくんよ、絶対壊したくないから。やっとできたから、こんなん置いとかなって思って置いといて、大事にしたいから棚の中に置いててん。次の日開けたら壊れていて、それでレゴ辞めた(笑)。

 

汐田泰輝さん

誰が壊したとかわかってないん?

 

清弘陽哉さん

多分雑に置いたんやと思う。

 

汐田泰輝さん

自分が悪いよっていう話でした(笑)。

 

―――次に、「ソフビ」には新曲がたくさん入っていると思うのですが、それぞれ聴いてほしいポイントや、その曲にかけた思いがあれば教えて頂きたいです。

 

汐田泰輝さん

僕は『タヒ神サマ』で、一番最後にできた曲かつ一番難航したんですけど。最後の曲って、アルバムを構成する大事なパーツはいっぱい揃っているし、あとはどれだけこっちが遊べるかみたいな遊び心をグッと詰めた曲なので、滅茶苦茶というか、バイハン史上1番意味のない言葉を歌ってたりする、その部門で1位みたいな。「ここの歌詞のことね」って絶対にすぐわかるポイントがあるんで、そこを聴いてほしいですね。

 

清弘陽哉さん

歌詞カード見たらね。

 

汐田泰輝さん

逆に1回歌詞カードを見ずに、自分の頭で歌詞を追って何を言っているのかを考えて聴いてほしいな。

 

岩橋茅津さん

ほんまにその言葉を言ってても、「いやこんな歌詞入ってるわけない」と思う(笑)。

 

汐田泰輝さん

「勘違いかな?」みたいな(笑)。

 

岩橋茅津さん

僕は『妖艶さん』ですね。僕はギタリストなのでギターの話になるんですけど、リードギターって基本的に自分1人でできる1本しか作らないんですけど、曲によっては2本作ったりするんですよ。それを『妖艶さん』でもやっていて、そういうのが遊び心として音源では入れたりとかするので、『妖艶さん』で「なんかギターめっちゃ鳴ってへん?」みたいなタイミングが多分あると思うので、そこを聴いてほしいですね。

 

清弘陽哉さん

僕は『swamp(沼)』ですかね。ドラムが本当に難しくて。

 

中村龍人さん

聴いたとき「すげぇ!」ってなったもんな。

 

清弘陽哉さん

これがほんまに難しくて。今でも叩かれへんし。

 

中村龍人さん

まずいっすね(笑)。

 

清弘陽哉さん

ドラムに注目してくれとまでは言わないけど、サラッと聴ける割によく聴いたら「ドラム何?どうなってんの!?」ってなると思うから。

 

汐田泰輝さん

サラッと聴けるな、確かに。

 

清弘陽哉さん

最初は何も考えずに、4、5回目とか聴いたときにドラムをよく聴いてみて。

 

中村龍人さん

僕は『ラブドール』と『タヒ神サマ』かな。『タヒ神サマ』は基盤となるところをベースとドラムで作っていて。いつもの作り方とは違うから、曲のニュアンスがちょっと違うんですよ。そこも聴いてほしいし、シンプルにベースが目立つ曲なのでベースを聴いてほしいです。あとは最近のバイハンになかった新しいダークめのアッパーができたっていうことで『タヒ神サマ』です。

『ラブドール』はBEBOP!!!!っていう、Bye-Bye-Handの方程式、Atomic Skipper、Arakezuri、Organic Callの4バンドでスプリットツアーを回った時に作った曲で、ライブでやっているときに最初泰輝だけが歌って入るみたいな流れとか、途中から全員でテンポが速くなっていく部分とかがやっと音源になるので。ライブとは違った良さもめちゃくちゃあるので、それを是非聴いてほしいですね

 

清弘陽哉さん

ライブでよくやってたからね。

 

中村龍人さん

そうそう。今までライブでしか聴けなかったんでライブの良さもあるけど、音源は音源の『ラブドール』のいいところがめちゃめちゃ詰まっているので、是非そちらも聴いて頂ければと思います。

 

ーーー曲名がとても印象的なものが多いなと感じたのですが、タイトルはどのようなタイミングで決まることが多いですか?

 

汐田泰輝さん

僕が曲を作る順番において1番先に来るのがタイトルで。今回で言ったらまず「ソフビ」というタイトルをまず決めて、そこからどんな曲いれたら良いかなぁという順序で決めていきました。

とにかく今って、CDで聴くよりもみんな配信とかで聴くことが多いと思うんですよね。今までだったら曲名とか関係なく、例えばCD買ったらまず1曲目から順番にCDプレイヤーで再生するみたいな感じでしたけど、今は一覧で曲名だけが出ていて自分が気になるなっていう曲だけ再生する人もいっぱいいるというか。

なおかつ、後ろの方の曲は再生されづらいというのも僕は聞いたことがあって。となってくると、みんなを惹きつける魅力とか最初のインパクトってめっちゃ重要で、やっぱり曲において、僕ららしさのあるタイトルをつけるっていうのが僕の中で超重要なことだから。『タヒ神サマ』まさにタイトルからやし、とはいえ逆パターンもあるんですよ。『swamp(沼)』は曲ができて、唯一タイトルが後についたんですけど、大体そういう時はめっちゃ悩むというか。世間でよく言う“沼る男”に夢中になっている女の子の曲やから沼って英語でなんていうんやろうって調べたらswamp。って書いたけど「なんかバイハンっぽくないな…」ってなって、「バイハンぽさってなんやろう。(沼)やな」みたいな(笑)。“swamp”っていうタイトルはかっこいいけど、バイハンっぽくはないってなってしまって。

自分の中でしかわからんけどバイハンバランスみたいなのがあって、その中で自分の感覚で字面で決めてるっていう感じです。ラジオの方からは「この(沼)は読まないで大丈夫ですか…?」と聞かれることがこの1ヶ月間よくありました(笑)。

 

ーーー歌詞や言葉選び、曲の着想はどこから得ることが多いですか?

 

汐田泰輝さん

いろんな文化とかその人の大事にしてるものとか、何かに対してめっちゃ怒ってる人いるなとか、めっちゃ何かに対してすごい褒めてる人いるなとか、自分にない感覚の人と出会った時に、「面白い!」という感情になるというか。とにかく、人との会話とかSNSとか全然誰でもない人の言葉とか、そういうところからアイデアを得ることが多い気がしますね。友達と話していて「最近どうなん?」って訊いたら、「めちゃくちゃ沼ってんのよね〜」みたいなのを聞いたり。人の話を聞いて「あ、そういうところで悩んでるんや」というところから楽曲を作っている気がします。

 

ーーー『ソフビ人間』と『ロックンロール・スーパーノヴァ』は、今回再録されていますが、なぜ再録という形で収録しようと思ったのかお聞きしたいです。

 

汐田泰輝さん

『ソフビ人間』に関しては、既に配信されている曲だったので、最後のレコーディングの時まで、そのまま入れる予定だったんですけど、すごい年月を経て、たくさんライブをして、リリース当時の気持ちと僕らのソフビ人間と多少の距離ができたなと感じて、今もし録るなら「もっと良いようになる気がする」っていう感覚がありました。今やったほうがもっと良いし、なおさら「ソフビ」というタイトルで『ソフビ人間』を後悔した状態で入れるのは絶対良くないな、だったらもっとヤンチャな状態でソフビ人間が作れる気がするっていうので再録しました。

『ロックンロール・スーパーノヴァ』は、再録するっていうアイデア自体はあったけど、このアルバムに入れることは決まっていなくて、別の曲が元々入っていたんですよ。けど、やっぱり僕たちにとって思い入れのある曲だし、もちろんみんなが大事にしてくれている曲でもあるというのもわかっていて、なおかつ事務所と話していく中で「名刺的な1枚にしたい」というのをずっと言っていたので、名刺なら今までやってきたことも入れたいとなって『ロックンロール・スーパーノヴァ』を再録して入れました。入れたらヘビロに選んでもらえたでしょ。だから、本当に入れてなかったらどうなってたかなって…(笑)。何の気なしに制作ディレクターさんに「ロックンもアルバムに入れたほうがいいんじゃない?」って言われて。フラッと現れて、サラッとそういうことだけちょっと言ってくるみたいな。

 

中村龍人さん

初めは「いや、それは…」みたいになっても、やってみたら、結局それが正解やったみたいな。たまにですけどね、たまに(笑)。

 

岩橋茅津さん

『春のチャンス』とかもそうやったよな?

 

汐田泰輝さん

そうそう。ちょっと前の話になってしまうけど、「ろまんす快速特急」(2021年に発売されたミニアルバム)の時だったら『目を閉じるだけ』とか入れて良かったな〜って。

そういう感じで、「絶対に入れるぞ」と最初から決めてたわけではなかった、ひょんなことから、っていう感じでしたね

 

FM802との出会い

ーーー『ロックンロール・スーパーノヴァ』がFM802の5月の邦楽ヘビーローテーションとなりましたが、選ばれた時の皆さんの心境をお聞きしたいです。

 

岩橋茅津さん

ちょうど僕と泰輝がFM802の番組に生出演した時かな?

 

汐田泰輝さん

いつもお世話になっているレコード会社のスタッフさんが、すごい深刻な、この世の終わりみたいな顔をしていて(笑)。

 

岩橋茅津さん

「みなさんに大事なお知らせが…」みたいな感じで。

 

汐田泰輝さん

マネージャーと僕らは3人全員、「仕事辞めちゃうんかな」って思って椅子座り直したら、「FM802の5月邦楽ヘビーローテーションに決まりました…!」って言われて、「えぇ!?」みたいな(笑)。

うっすら決まったらいいなと思いつつ、どっか心では「でも難しいか…」って諦めも半分あった時期やったので、「だめでした」「そうですよね、ありがとうございます」という覚悟があったというか。スタッフが辞めるか、ヘビロがダメだったかの2択の中から、想像してなかった第3の内容が来た!みたいな感じで、嬉しかったね。

 

岩橋茅津さん

あれは嬉しかったね〜。

 

汐田泰輝さん

落差が凄すぎて体調崩しそうというか。

 

岩橋茅津さん

しんどかった(笑)。

 

汐田泰輝さん

でも報われたというか、「歌ってきて良かった」と心から思ったし、僕含めて全員「こんなに可能性がある曲やったんや」ってちょっと申し訳ない気持ちになって(笑)。

この曲の凄さを自分たちが甘んじていたというか、みくびっていたなって個人的に僕はあったかな。逆に、僕と茅津以外の2人がどうやったんっていうのがありますね(笑)。

 

中村龍人さん

LINEで、“5月、ロックンヘビロ決まりました”ってポンときたけど、それまでも色々やり取りしてたんですよ。それこそラジオ出演の写真だったりとか、色々やりとりしている中で来たから、ほんまに数時間後くらいに「ん?ヘビロ?え、決まってる?え!すご、けど1人で喜ぶしかない、いぇーい!」みたいな(笑)。

後日、「すっごい深刻そうな顔をしながら…」って聞いて、そこではそんなことがあったんや〜って知りました。

 

汐田泰輝さん

いやあれは多分、その場にいる人といない人の温度差がすごいわ。

 

中村龍人さん

それこそ、温度差凄すぎて風邪引く。

 

岩橋茅津さん

陽哉、「了解しました」みたいなこと言ってなかった?(笑)

 

清弘陽哉さん

僕は実際その時体調を崩していて、夢なのか現実なのかがわからない状況でこのLINE見て、「了解しました」ってそれしか言われへんかった(笑)。

 

中村龍人さん

すごく嬉しかったですよね。けど、ほんまに選ばれたんやって実感が湧くまでに時間がかかりました(笑)。

↑新アルバム「ソフビ」の13曲目に収録されている『ロックンロール・スーパーノヴァ』

 

ーーー先程、ヘビーローテーションに選ばれたらいいなぁって思っていたという話にもあるように、関西出身のアーティストにとってFM802は特別な存在なのかなと思うのですが、皆さんはFM802とはいつ頃出会われましたか?

 

汐田泰輝さん

ラジオをいつ聴いたかで言うと、いつか覚えてないくらい前から聴いてはいたんですけど、それがFM802と認識をしたのが、たぶんMINAMI WHEELと先に出会って。それがラジオ局がやってるイベントなんだっていうところですね。僕たちが今よりもっと小さかった時、FM802なんて出れないから、その当時はBIGSTEP前にバンドマンの行列ができていて。1歩進んでは音源もらって、1歩進んでは音源もらってってなかなかその道潜り抜けれないくらい、バンドマンが音源を渡す場所だったので、それで僕はここで戦っても音源もらってもらえないなって思って、BIGSTEPサイドの人と思われようと思って(笑)。

BIGSTEPの奥まったところに入って、チラシかのように「あざした〜お願いします〜」って配ってたら、FM802 DJの樋口大喜さんがもらってくれて。「なんじゃこのバンド?おもろい!」ってなって聴いてくれて。ライブハウスの人に仲介してもらってFM802の番組に初出演が決まって、みたいな感じやったかな。

 

岩橋茅津さん

確かその時に渡したCDを流してくれたんじゃなかったっけ?

 

汐田泰輝さん

そうそう!ミナホで出会った曲を流すよ〜!みたいな感じで流れて、「僕らの曲こんな勝手に流していいの?!」みたいな(笑)。ラジオのことあんまりよくわかってないから、「何も言われてないんやけど?!」みたいな、ようわからん感じになった(笑)。

 

岩橋茅津さん

「言ってくれてたらめっちゃ構えといたのに!!!」みたいな感じやったな。

 

汐田泰輝さん

「こんな急に流れるんや」って、びっくりな感じで。そういう出会いでしたね。

 

岩橋茅津さん

それがきっかけで、それこそ『ロックンロール・スーパーノヴァ』が収録されてるEP「愛とは言わず哀と呼んで」をリリースした時に初出演させてもらいました。

 

清弘陽哉さん

僕はいつ出会ったんやろう、覚えてないけど、親の車に乗ったらいつも流れてた。

 

中村龍人さん

僕、FMは802しかないと思ってた(笑)。

 

岩橋茅津さん

その感覚はめっちゃわかる!!!

 

中村龍人さん

そのくらい当たり前すぎて。親の車に乗ってる時は802か、CDを流してるかやったから。

 

汐田泰輝さん

しかも、関西でしか流れてないとかも知らなかった。

 

中村龍人さん

僕も全国展開やと思ってた。それを理解するのにだいぶ時間かかったんですけど、FM802というものに出会ったのはすごいちっさい時ですよね、小学校に上がる前くらいからずっと。

 

大きな決断をする上で大切にしていること

ーーー私たちワナビーズは今大学生で将来に迷う時期なのですが、少し人生の先輩であるバイハンの皆さんが大きな決断をする時に決め手にしていることなどあれば教えて頂きたいです。

 

中村龍人さん

僕は結構直感です。もちろん迷いますけど、結局どんだけ迷っても最初に思ってた方に行くので。結局やるかやらないかの時に自分がこれやりたいけど何かがあるからやめとこうってなって辞めた時にそれってできずに終わってるじゃないですか。どこかで心残りがある。自分がもし仮にどっちをやっても後悔した時に、「あの時やっとけばよかったな」より「あの時に辞めてよかったな」ってやって無理やった後悔の方が良いじゃないですか。っていうので、大体迷ったときは直感的に。そんなに考えすぎないようにしてます。考えすぎると多分訳わからん感情が入ってくるので。

 

汐田泰輝さん

僕もほぼ龍人と一緒やな。例えば自分の尊敬している人とかキャリア的にすごい人とか、そういう人から言われる言葉ってすごく重たく感じるけど、その人は自分のことを全部は知らないよなって思う。僕らも迷う瞬間ってもちろんあるし、みんなが思っているよりも「この人がこう言ってるなら、こうしないといけないのかな」って考える瞬間もある。でも、結局正解は自分の中にしかないとやればやるほど思います。人の言葉をもらっても、その人が答えを知ってることは基本的にはないというか。結局最初に思っていた気持ちってめっちゃ大事な気がするなって。ちょっと違うかもしれないけど、音楽を作る時も1個目に出た案の方がやっぱり良い気がするし、そのあとにもうちょっと工夫できる気がするって思って色々やってみても、最初にあった何かキラッて光ってたものがどんどん覆いかぶさって見えなくなるみたいなことがよくあるなって。なので、大事な決断をする時は、直感的に最初に思った気持ちを忘れない方がいいのかなって思います。

 

―――ありがとうございます。そういう決断をするときに、音楽の道に進む、Bye-Bye-Handの方程式というバンドを続けていくという決断は大きかったんじゃないかなと思うのですが、それを決めた理由やきっかけがあれば教えて頂きたいです。

 

汐田泰輝さん

これは僕以外なんじゃない?僕にはもう道がないからね。迷うとかもないから。気づいたらみんないなくなっていて、目の前にまっすぐな道しかないみたいな状態やったから。僕以外の3人がどこかで決断をしてるんじゃないかな。

 

中村龍人さん

僕は高校の軽音部に入っていたのがでかいんちゃうかな、あの時軽音部に入っていなかったら音楽の道にもちろん行ってないし。

高校を卒業すると同時に専門学校に行ったんですけど、専門に行くってことは本気で音楽をやりたいってことやし、正直内容も卒業して楽器やらんかったら意味のない内容やから。大学に行くか専門に行くか迷った時に、僕はバンドがしたいっていうのがあったから、そこで音楽の道に進むって決めました。親には反対はされてないけど、「自分が決めたならそれでいいんちゃう、ただよく考えてやることやりや」って言われたので、「もちろんやりますよ」って専門に入って。入ったからにはやるしかないからっていう気持ちで決めた。

この決断は重かったし、めっちゃ悩んだけど、結局そこで自分が普通の大学行ってやっぱり専門に行きかったってなった時に、卒業してから入るよりも若いうちに少しずつ積み重ねていくほうが僕はいいって思って。もちろん遅くに始めても悪いことじゃないと思うけど、自分の気持ちに嘘をついて誤魔化して大学に入るより、音楽がしたかったんやったら専門に入ったほうがいいやんって。その分かれ道が僕が音楽の道に進むって決めたところかな。

 

岩橋茅津さん

僕は、大学を辞めたときかな。僕は本気で音楽をやりたいって思ってたし、その時から頑張っていたんですけど、なんとなく就職して働きながらでも音楽って続けることはできるし、選択肢として就職が全くなかったわけじゃなかったので。泰輝の一本道に僕も入れられていたけど、それとは別で僕は枝分かれする道がいっぱいあって、だから専門学校とかでもなく普通の理系の大学に入って、実験とかしながら「この後ライブや」っていう生活をずっと送っていました。

でも、それが2回生の秋ぐらいに辞めるってなったんですよ。バンドが忙しくなっていたというのもあるけど、ずっとその決断から逃げていた部分もあったんだと思います。バンド一本だけでやるっていうのは覚悟がいるじゃないですか。やっぱり簡単な道じゃないのを分かっていたし、1回入ってしまった大学を簡単に辞められないっていうのもあって。それですごく悩んだ時期もあったんですけど、自分が何をしたいかっていうのをちゃんと考えたときに、大学にも勉強して入ったしこのままいけば絶対に就職できる安泰コースがあったけど、そんな人生は僕は嫌だってはっきり思って、大学を辞めて音楽に集中したいって決断して、それを親に話しに行ったみたいな感じで。

親は、僕が高校生の時は音楽だけで生きていくことに反対するタイプだったと思うんですけど、ちゃんと話しに行ってそれまでの自分が見せてきた結果とかを見て「いいと思うよ」って言ってくれたので、大学を辞めたのが僕にとっては1番大きいきっかけかもしれないですね。僕も一本道になりました

 

清弘陽哉さん

僕も泰輝と同じタイプですね。泰輝と違うのは、色々やってみたけど何もできなくて結局音楽の一本道になった。泰輝ははなからこれしかなかったけど、僕は抗おうとした形跡はあるけど抗えなかった。

 

汐田泰輝さん

全然抗えてなかったしな(笑)。

 

清弘陽哉さん

スポーツやってみたりとか。

 

汐田泰輝さん

服屋の店員になるとか言い出したりとかね。

 

清弘陽哉さん

服が好きで。いろんなことをやってみたけどまあどれも。言ったら、音楽に逃げてます。僕は音楽しかできないから

 

中村龍人さん

でもそれが上手くいってるねん。

 

清弘陽哉さん

だから、決めたというよりは自ずと音楽の道になりました。

 

一歩ずつ、一段ずつ。Bye-Bye-Handの方程式のこれから

―――では最後に、今後についてお聞きしたいと思います。まず、新アルバムを引っ提げてのリリースツアーが行われるということで、そちらの意気込みをお願いいたします。

 

中村龍人さん

頑張ります!(笑)

 

清弘陽哉さん

それに尽きますわ。

 

中村龍人さん

今回、初めてのフルアルバムやし、ツアーは16ヶ所回るんですけど今までの中で1番多いんですよね。いろんなところを回るし、今回対バンもこれまでのツアーよりすごく早くに決まったというか。それはなんでかな、と考えたときに、今回の方が、友達とかバンドマンとか同じ仲間がすごい増えたんですよ。だから、僕らが「ツアーやるので一緒に出て盛り上げてください」ってお願いしたときに、「いいですよ」って二つ返事で出てくれるバンドが凄い増えて、仲間が増えたな、と思います。

今回16ヶ所を回る中で、セットリストは全部変える予定なんですけど、その日をどんな日にしてやろうかな、みたいな。

いろんなバンドが出てくれるから、この日はこんな感じの日っていうイメージがあったりもするし、初めて行く場所もあるから、美味しいご飯も食べたいし。僕らも、今回のツアーで初めての事があるから、それも含めて凄い楽しみだし「頑張るぜ」っていう感じですわな。

 

清弘陽哉さん

今回のファーストフルアルバムで、ただでさえいろんな面を持ってたバイハンが、もっとガッと芯が強くなった感じがあるので、それをライブで表現するのが楽しみですね。

どんなことになっちゃうのか想像がつかないし、期待がありつつ、不安もありつつ。頑張ります。

 

ーーー続いて、今年5月5日で結成9周年を迎えられて、今後は10周年に向けたアニバーサリーになってくる、ということで、どういった1年にしていきたいですか?

 

岩橋茅津さん

そうですね…。キリがいいのが10周年だと思いますし、それに向けた1年のこのタイミングでアルバムリリースができてるので。10周年を迎えたときには、自分たちの名刺、みたいなアルバム、1作目、代表作、みたいなアルバムに今後もなっていくと思うので。

そのツアーを回って、10周年をちょうど迎えるという感じになると思うんで、ツアーを経てこのアルバムを自分たちで成長させていって。僕ら、高1からBye-Bye-Handの方程式をやってるので、ほんまに10年間応援してくれた人はなかなかいないと思うんですけれども、「僕たち10年頑張りましたよ」っていうのを見せることができるような、なにかを。まだなにも言えることは多分無いですけど、何か考えたいな、とは皆で話してますね。

 

汐田泰輝さん

そうですね…。まぁ10周年と言いつつ、なんかキリがいいだけっちゃだけなので。

僕らは「この1年はやばい年にする」というのをずっと続けてきただけのバンドなので、10周年だから特別にこれをする、というニュアンスよりかは、毎年やばい年にする、その1年、10周年がそういう気持ちでまた迎えられるっていう。それは何より続けていく先にしかないな、と思うし。

茅津も言った通り、全然まだ言えることとかは無いけど、なんかドでかいことをすることもとっても大切なんですけど、僕らは、二段飛ばし三段飛ばしはせず、エスカレーターを使わず、一歩ずつ一段ずつ上がってきたバンドなんで。僕らは僕らなり、僕らにしかできない10周年の迎え方をしたいなと思いますね。他のバンドがやってないドでかいことをやってこんなことをしよう、というよりかは、僕らにしかできない、みんなが喜ぶ10周年。

だから、僕らよりかは、お客さんが喜ぶことをしたい、ファンが喜ぶことをしたい、っていうニュアンスの方が近い。僕らのためにやるというよりかは、応援してくれたみんなに、いったん区切りとして、おめでとうって皆が言える1日ができたらいいな、っていう、それくらいの感じです。それぞれの1年に「特別な1年」というのは無くて、「大事な1年」っていう感じですね。

 

ーーーありがとうございます。今日の内容を、ファンの方々にも、これからBye-Bye-Handの方程式の音楽に出会う方々にも、早く届けたい、そう感じる素敵な内容でした。本日は本当にありがとうございました。

 

 

 

いかがでしたか?

たくさん質問させていただきましたが、1つ1つの質問に対しこちらに目線を合わせながら丁寧に回答していただき、

メンバーの皆さんのテンポの良い掛け合いからも、仲の良さがとても伝わってきました!

 

5月の邦楽ヘビロ曲『ロックンロール・スーパーノヴァ』も収録されている、

1st Full Album「ソフビ」は現在発売中です!

さらに、今月末から「Soft Vinyl Human Tour」がスタートします!

関西は、

7月12日(金)MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎、8月9日(金)京都GROWLY、

そして、9月14日(土)には梅田Shangri-Lαで公演が決まっています!

この記事を読んで気になった方は、ぜひライブハウスに足を運んでみてくださいね〜!♪

 

Bye-Bye-Handの方程式

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Bye-Bye-Handの方程式の皆さん、本当にありがとうございました!

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