【ワナラボ卒論】銀河鉄道に乗って、音楽を探しに〜宮沢賢治の世界を引き継ぐ音楽たち〜

わかな

 

こんにちは、15期のわかなです。


いよいよこの季節がやってきてしまいました、わたしはこの3月で大学とワナビーズを卒業します。

ワナラボで卒業論文を書こう!と決めてから、テーマを何にしようかとわたし自身の大学生活4年間を振り返りました。

まず第一に思い浮かんだのが、所属する文学部で学んで研究してきた『宮沢賢治』のこと。

そして次に浮かんだのは、私の生活と切っても切り離せない存在である、大好きな『バンド』や『音楽』でした。

4年間大学で文学研究をしながら、プライベートやワナビーズとして関わることができた音楽について。

少しだけでも恩返しできたらという気持ちで、4年間のわたしの好きが詰まった記事をお届けできればと思います!

 

宮沢賢治について

 

日本を代表する童話作家、宮沢賢治

小学校の教科書にも載っていることから、現代を生きる私たちにとって馴染み深い作家だと思います。

『銀河鉄道の夜』『注文の多い料理店』など、誰しもが一度は読んだことがある名作を数多く残した岩手県出身の作家です。

わたしは大学3年生の頃から、所属するゼミで宮沢賢治の童話を軸に大学での勉強を進めていました。

なぜ宮沢賢治を選んだのかというと、もちろん作品やその世界観に幼い頃から惹かれていた、というのもありますが、後の多くの作家や音楽家に影響を与えた作家であるということも大きいのかもしれません。

思い返せば私が『バンド』と出会い、そして『宮沢賢治』の世界観を特別視するようになったのは中学生のころです。

当時、私はBiSHにハマっていました。

メンバーのセントチヒロ・チッチさんのソロデビュー曲は、GOING STEADY/銀杏BOYZ『夜王子と月の姫』のカバー。このカバーのアレンジと演奏は、リーガルリリーが担当しています。

 

 

「名前はカムパネルラ 翼折れた 夜王子」

という歌詞にあるように、この曲に登場する夜王子の名前は『銀河鉄道の夜』のカムパネルラと一致しています。

また、ラストに繰り返される「君が星こそ悲しけれ」というフレーズは、賢治の『敗れし少年の歌へる』という詩から引用されています。

この曲をきっかけに、銀杏BOYZ、リーガルリリーに出会い、わたしは『バンド』に強い興味を持つようになりました。

わたしにとって、とても特別な一曲です。

 

リーガルリリーと宮沢賢治

 

リーガルリリーのvo.gt.であり、作詞作曲を担当しているたかはしほのかさんは、宮沢賢治に影響を受けてきたことを公言しています。

2025年に宮沢賢治の出身地である岩手県で行われたリーガルリリーの単独ライブの名前にも『イーハトーブ』(賢治が付けた理想郷岩手県の名称)というワードが使用されています。

 

そんなリーガルリリーの中で、わたしが紹介したい一曲は、『天きりん』という2024年にリリースされた楽曲です。

 

 

「てんきりん」という単語は、『銀河鉄道の夜』にも登場します。

物語中では、天気を祈る柱として『天気輪』と表現されます。

リーガルリリーは賢治の世界観を自らの世界に落とし込み、その世界観をより輝かせる素敵な楽曲を届けてくれています。

 

きのこ帝国と宮沢賢治

 

わたしの音楽遍歴を語る上で外せないのは、きのこ帝国の存在です。中学生の時から、私の根底にある音楽のひとつです。

そんなきのこ帝国のvo.gt.佐藤千亜妃さんは、宮沢賢治と同じく岩手県の出身で、賢治の作品をモチーフにした曲をいくつか制作しています。

 

中でもわたしが特別な思いを持っている曲が『夜鷹』です。

タイトル通り、『よだかの星』をテーマに制作された楽曲です。

わたしは大学の卒業論文で『よだかの星』を取り扱ったので、論文の執筆中に何度も繰り返し聞いていました。

よだかの苦悩や叫び、祈りが込められているこの曲に物語の解釈を助けられたこともあります。

 

 

GOING STEADY/銀杏BOYZと宮沢賢治、そして羊文学

 

2020年にリリースされた、羊文学がカバーしたGOING STEADY『銀河鉄道の夜』

大好きなバンドが、大好きな作品をモチーフにした大好きな曲をカバーしたという事実に、大騒ぎしたことを鮮明に覚えています。

 

 

オリジナルの輪郭はそのままに、静かで透き通った羊文学ならではの空気感がとても馴染んでいて、大好きなカバーです。

 

「ハロー 今君に素晴らしい世界が見えますか」

塩塚モエカさんの声で語られる歌詞は原作の『銀河鉄道の夜』の世界観にピッタリで、いつかこの曲を歌う羊文学をこの目で見ることが、わたしの夢になっていました。

 

 

好きなものと、わたし

 

そんな夢を抱えたまま迎えた大学四年生の春。

わたしは念願の銀杏BOYZ羊文学のツーマンへむかいました。

 

豊洲PITは日本最大級の大きさを誇るライブハウスで、その広さに圧倒されるとともに、それぞれのバンドに対する思いも膨らんでいきました。

 

羊文学のステージが終わり、銀杏BOYZのステージ。

『夜王子と月の姫』のイントロが聞こえた瞬間、まるで走馬灯みたいに、これまで見てきた様々なバンドのステージが思い浮かびました。

私にとってやっぱり原点はこの曲なのかもしれない、そんなことを考えました。

 

そしてアンコール、峯田和伸さんに招かれて塩塚モエカさんが再びステージへ。

そこには、わたしが夢に見ていた『銀河鉄道の夜』を歌う塩塚モエカさんの姿がありました。

 

 

ああ、本当に来てよかった。これまでのわたしの好きと好きが点で繋がって弾けた瞬間でした。

羊文学は大学生活4年間で1番聞いてきたバンドで、宮沢賢治は何度も何度も繰り返し読み込んだ作家で、銀杏BOYZは私にとって音楽の祖みたいなもの。

ステージ上で並ぶ峯田さんと塩塚さんをこの目で目撃できたことは、たくさん通ったライブハウスの中でも1番きらきらの思い出です。

泣きながら、歌いながら、揉みくちゃになって、周りの人たちがみんな笑顔で、ライブハウスの楽しさを目一杯感じた瞬間でした。

 

宮沢賢治と音楽、そしてわたし

 

宮沢賢治の残した物語たちは、今もなお多くの人に愛され、影響を与えています。

今回紹介した楽曲たちはその一部に過ぎません。

賢治の幻想的で優しい独自の世界観はこれからもきっと今を生きるわたしたちの中で新しい表現とつながり続け、世界に風を送り続けることでしょう。

 

わたしの大学生活は、ありがたいことに本当に好きなものに囲まれて充実した4年間でした。

ワナビーズでの活動は、そんな中でも特にキラキラの宝石みたいな思い出です。

これからも音楽や物語に力をもらって、思い出たちを抱きしめながら進んでいこうと思います。

最後にわたしの好きな一文を紹介して終わります。

すべてのひとの幸せと、かなしみに愛を込めて。

 

『ああさうです ただいちばんのさいはひに至るためにいろいろのかなしみもみんなおぼしめしです』(銀河鉄道の夜/宮沢賢治)

 

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