【前編】プロデューサーって何するの?レディクレPD今江元紀さんにインタビュー!
みなさんこんにちは!13期のさとです!
今回は音楽業界の方へのインタビュー記事の第3弾としてFM802のプロデューサーの今江元紀さんにインタビューさせて頂きました!
今江さんはぴあ株式会社編集部を経て、2010年にFM802に入社されました。現在は802編成部長であり、「ROCK KIDS 802」の担当や「RADIO CRAZY」などのイベントのプロデュースを手掛けられています。また、大阪芸術大学では客員准教授として教鞭をとられるなど、多方面で活躍されています。
今回は13期のさと、みれいで対面で取材させていただきました!
ラジオ局のプロデューサーの仕事や今月末に開催を控えた「FM802 RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAM」のことなど盛りだくさんなインタビューの内容を、前編・後編に分けてお届けします!
「FM802プロデューサーの今江元紀さん」
前編はプロデューサーのお仕事やコロナ禍でのフェスの開催について伺いました!
――まずプロデューサーのお仕事についてインタビューさせていただきたいと思います。ラジオ局のプロデューサーはどんなお仕事をされていますか?
FM802のプロデューサーは基本、番組の編成に関わるお仕事とイベントの制作に関わるお仕事と大きくこの2つをやっています。
番組の編成というのは、番組の枠組みを作る人で、リスナーの皆さんに向けてどんな時間にどんな内容の放送を届けるのかというのを決めます。
そしてその枠組みの中に必要なDJさんや制作会社さん、ADさん、ゲストや出演者の方とかも含めた全てを統括し、監督する役割があります。
イベントのプロデューサーもイベントの5W1H(誰がいつどこで何を何のために、どういう事をやるか)について責任を持って統括するというお仕事になります。
――そうなんですね。では、一年で一番忙しい時期はいつですか?
一年で一番忙しい時期は抱えている番組とかイベントによって変わると思います。
特に802のイベントは季節ごとに大きなイベントが決まっているので、そこに関わっているプロデューサーが一番その時期が忙しいかな?というふうに思いますね。
――先輩方から今江さんがお子さんを連れてイベントに来られているパパのイメージがあるとお聞きしたんですが。
いいイメージじゃないですか。(笑)
――はい!素敵なパパさんのイメージがあります!お仕事と子育ての両立はどうやってされていますか?
いやいや、僕はもう子育てはもうほぼやってないんですけど。 そうですね、休みの日に802のイベントに子供連れて顔を出したことはありますね。時間を見つけてできるだけ子供と触れ合えるような時間を作りたいなと思っています。
でも現状に満足しているっていうことでもないのでもっと接してあげたいなと思ったこともたくさんあるのはあるんですけど、必要最低限コミュニケーションをとるように、できるだけ時間をやりくりして子供との時間を作っています。
――めちゃめちゃいいパパさんですね。
全然いいパパさんじゃないです。(笑)
――仕事に関することなどで、普段考えていることや新しいアイディアはどこから湧いてきますか?
僕が一番アイデアが浮かんでくるのは移動中とかお風呂に入っている時とかですね。
これやんなきゃ、あれやんなきゃとか、あれやりたいとかっていうのは1人でボーっと考える時間に思いつきやすいです。
もちろんこういう仕事なのでいろんな人とお話したり、接する場合も多くて、いろんなインプットをいただくんですけど、ふと自分ひとりの時間になったときに色々アイディアが浮かんできたり、やりたいなと思ったりっていうのがあります。
――またプロデューサーさんは、他のフェスや音楽番組を見た時に普通の視聴者と目線が変わりそうだなと思ったのですが、普通に楽しめますか?
楽しめないですね。残念ながら。(笑)
――他のフェスとかもよく行かれたりしますか?
行きますけどやっぱり考えますよね。
――それはテレビとかでも考えるんですか?
テレビは業界が違いすぎて、お客さんと同じような目線かなと思います。
でもラジオで僕たちが届けていた曲がテレビで流れるようになったりとか知ってもらえるようになったりすると単純に嬉しいです。
いち早く知ったアーティストを少しでも早く押し出したい
――802は先駆けでアーティストさんを発掘していることが多いなと思うのですが、それってどこから察知しているんですか?
CDや音源を先に頂くのでそれを聴いたりしていいなと思うのが早いだけで「発掘してやる!」という気持ちではないですね。
もちろん完全に新しいアーティストと出会ったら嬉しいですし、たくさんの人に知ってほしいし、それを届けたいなと思うからいち早くオンエアで届けたいと思っています。
本当に発掘するのであれば、新人発掘セクションのようなものをおいて、ライブハウスに担当が足繁く通い、テープを受け付けたりすると思うんですけどね。
青田買い的なことをしたいとは思っていなくて、いち早く知ったアーティストを、少しでも早く押し出したいというその気持ちだけですかね。
――MINAMI WHEELがそういう立場になっているんですかね。ありがとうございます。
続いて、RADIO CRAZYのプロデューサーのお仕事について質問させていただきました。
プロデューサーとしてどんなお仕事をしているのか、また、昨年の中止を経てどのような思いでレディクレを迎えようとしているのか、たくさん伺いました!
悔しかった昨年の中止。でも、すぐに切り替えた
――昨年度は、レディクレも含め沢山のイベントが中止になったと思います。プロデューサーという立場から、それらの中止についてどのような思いがあったか聞かせてください。
これはやっぱり自分の力不足で中止になってしまったと思っています。
すごく悔しかったですね。
もう少し早い段階で止めることができたのではないか、とか色々そういうことを考えると、非常に悔いが残る年でした。
他にも中止になったイベントもたくさんありますが、幸い大阪はできる時期にやれることもできたというのがあったので…。
でも、じゃあこのタイミングで楽しみにしてくれたリスナーの皆さんとか、出演を決めてくれたアーティストの皆さんとか、スケジュールを確保してくれたスタッフの皆さんに向けて何ができるんかな、ということを考えるようにすぐ切り替えました。
――個人的に、関西のフェスはお互いに開催する時期に盛り上げていたり、関わりがあるように見えているのですが、他のフェスから参考にしたことや、勇気をもらったことはありますか。
コロナ禍になった2020年の2月ぐらいから、関西のコンサートを制作しているイベンターの皆さんと定期的にミーティングをするようにしていて、そこで皆でいろいろな情報の交換や共有、色々な相談をし合っています。
コロナって知らない間に色んな人に広まってしまっているような感染病だったりすると思うので、そういったものを乗り切るためには…やっぱり正解がないんですよね。
対策としても「これをやっとけば100%大丈夫」というものがないので、そういう場合には、「じゃあどうやったらできるのか」っていう経験値が必要になる。
そういった経験は絶対FM802一社では作ることはできないので、関西の音楽業界に関わるようなコンサート制作会社の皆さんと一緒に色々な経験を積んで、その経験に基づいて自分たちの対策を出来る限りやるという風な流れになっているのと、ひいては関西だけではなくて全国の音楽業界に関わる皆さんと情報交換しながらやるっていうところだとは思います。
――今年はコロナ禍で初のレディクレになりますが、コロナ禍のフェスにおいて気を付けていること、大変になったことを教えてください。
今もまだできるかどうか最後まで分からないままやっているつもりです。
あらゆる状況においても対応できるようなものを作ろうという風に1年前から決めて、今年に辿り着いているという感じですね。
緊急事態宣言がまた出るかもしれないし、感染者が増加していくかもしれないけれど、そういう時でもできる方法は何かを考えました。
絶対中止にしないというためのシミュレーションとガイドライン作りを1年かけてやったし、もちろんそこにかけた時間がすごく大変だったかなと思います。
チケットの販売方法も非常に複雑になってしまったので、お客さんには申し訳ないことをしているんですけれども、チケットを売ってくれているプレイガイドの皆さんとかスタッフの皆さんも複雑な作業をたくさんしてくれていて、例年以上にそういう作業が増えているというのは事実ですね。
――今年は会場もインテックスから京セラドームへと変更になり、自分が見たいステージを選ぶ方式から、全員が一つのステージを見る方式に変わったと思います。プロデューサーの立場から、京セラドームという新しい場所で行う魅力を一つ挙げるとしたらなんですか?
やっぱり、スケール感だと思いますね。
ドームという会場で今回は1ステージにして全てのアーティストのライブを見てもらえるというメリットももちろんあるんですけど、同時に自分たちが身近で見てきたアーティストやバンドが京セラドームでワンマンライブをやるようなシチュエーションでパフォーマンスをしてくれるので、それを皆で見てもらえるというのは非常に大きいなと思いますし、ドームならではだと思います。
前編ではラジオ局でのプロデューサーの仕事やコロナ禍における思い、コロナ禍でのフェスについてお聞きしました!
次回は、フェスの作り方や音楽業界を目指す人へのメッセージを掲載します!お楽しみに!