【後編】プロデューサーに聞く!ラジオ局発のフェス その裏側とは?!

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みなさんこんにちは!13期のゆうです!

本日は、FM802プロデューサーの今江元紀さんへのインタビューの後編をお届けします!

 

↓前編はこちら!プロデューサーのお仕事やコロナ禍でのフェスの開催についてのお話をお聞きしました!

【前編】プロデューサーって何するの?レディクレPD今江元紀さんにインタビュー!

 

コロナ禍でのプロデューサーとしての葛藤を一言一言かみしめながらお話してくださったのが印象的でした。

後編となる今回は、フェスの作り方や音楽業界を目指す人へのメッセージを伺いました!

 

 

フェスの作り方とは?

 

――フェスを開催するまではどのような段階があるのでしょうか?

 

会場を選ばないといけないというのは一番大きいですね。あとは日程

それと並行で「この時期ならこういうアーティストが動けそう」などを考えながらのキャスティングと、会場が決まってくることによって費用感が見えてきたり、ステージ数が決まったりとか。

人をどんな風に貯められるか・流せるのか、そこに何人の人に来てもらえて何枚のチケットを売れるのか、というのは見積もりを作る上でも非常に重要なので、その会場の条件っていうのを見ながら。

それでいよいよ会場の条件が整ったら、こういう場所でこういうことをこういう風にしますよっていう情報を盛り込んだ企画書を作成して、アーティストの皆さんにオファーをしていく、という感じですね。

それでアーティストのキャスティングをしながら、情報を解禁し、チケットを発売し、当日に向けた準備をしていく、という流れではないでしょうか。

 

――今年は少し例外的なこともあったと思うのですが、普段はフェスの会場を決めたり取ったりするのはどれぐらい前から行っているのですか?

 

早ければ数年前から動く会場もありますし、大体1年前くらいに「来年どうしますか?」っていう感じで会場で話が始まるような感じですね。

 

――レディクレはとても多くの人が関わっていると思うのですが、全部を合わせると大体どれぐらいの人数になるのでしょうか?

 

数百人以上の(多いときは1000人以上の)アルバイトさんが確実に関わっていますし、色んな会社の方や業者の方に協力していただいているのですがそれも数百人いらっしゃいますし、出演されている方も何十組、そこに大体10~20人ぐらいのスタッフがいるって考えたらそれが40組で800人、という計算になるので、大体1000人以上の方が参加してくれていると思います。

実際に大阪には来られないけどリハーサルを東京でやってくれていたり、プロモーションを手伝ってくれているアーティストのスタッフ、それからアーティストの機材を運んでくれている方、会場までは来ないけども802のオンエアを通して宣伝してくれているDJさんスタッフさんだったり、関わっているっていうのをどこまでの単位にするかっていうのはありますが、多くの人が関わっているイベントだと思います。

 

――普段アーティストの出演順やタイムテーブルはどのような基準で決めていらっしゃるのでしょうか?

 

色んな理由はあるので場合にはよるんですけど、一番大きいのは誰か自分の頭の中に一人のDJさんとかをイメージして、このDJさんだったらこういう風に回るんじゃないかなっていうのを想像して、順番を決めるようにしています。

なぜかというと、そのDJさんの先には、DJさんの番組を聴くリスナーさんがいて、そのリスナーの皆さんと同じ感覚で出来るだけ考えてあげたいなっていうのが一番大きいです。

ただ、レディクレなど大きなフェスの場合は、スタッフや出演者の被り、東阪の移動などのハードな条件も左右してくることももちろんありますし、あとはプロデューサー、私のこだわりだったり。

私はこういうアーティストをこういうところに見せたいからこういう風に見てもらおうとか、こういう始まりにしたいからこういう人にお願いしようとかっていうのもあります。

 

――前日や当日は、フェスを主催しているプロデューサーとして、イベンターであるキョードー大阪さんや他の方々とのやり取りがあると思うのですが、どういうお仕事をしていらっしゃいますか?

 

プロデューサーとなったら全部の最終チェックなので、会場に行ってお客さんと同じような動線で歩いてみて、どういう用意ができているか終わっているか、足りないものはないかチェックしたり、あとは出演してもらうアーティストと同じ動線で動いてみて、足りないものはないかを最終確認したり、っていうのをキョードー大阪や現地のスタッフの皆さんと一緒にやっています。

当日は基本僕は出演者側にいるタイプで、出演してもらうアーティストの皆さんとコミュニケーションを取らせていただいて、改めてイベントの趣旨や今日の趣旨なんかを伝えたりしながら、ライブまでのムード作りとか気持ち作りに貢献ができるような動きをしたいなと思っています。

あと、パフォーマンスはできたらステージの上からとかではなくお客さん側から見たいなと思っているので、わりと客席の方に行ってパフォーマンスを見たりして、気づいたことを次に生かしたりっていう繰り返しをやっている感じですね。

 

 

 

細かい接触の積み重ねがチャンスに!802がフェスを開催する狙い

 

――普通のフェスはイベンターさんが主催することが多いとお聞きしました。レディクレはFM802というラジオ局が主催していることが特色だと思うのですが、ラジオ局が音楽フェスをやる強みはどこにあると思われますか?

 

すごい深いですね(笑)

ラジオ局というかFM802がこういうイベントをやれる強みっていうのは、やっぱり地元に密着したローカルメディアとして関西のリスナーの皆さんに支えていただいて、ラジオの放送を中心にメディアというお仕事をさせていただいている中で、「ラジオで新しい音楽に出会ってください」という”meet the music on the radio”という802のキャッチコピーがあって。

それに続くような言葉で、「ライブでアーティストに出会う」という言葉があって、日々放送で届けた曲やアーティストが、自分たちの目の前で今度はお客さんにライブという形で曲を届けているときに、ラジオで届いた音楽が実際にリスナーの皆さんの中にどう伝わっていくのかが見えたり、こういう聴き方やリアクションをお客さんはするのか、放送でこんな言葉を添えて曲を届けたことがこういう風に伝わって、今ではアーティストとリスナーの間でこんな風な大事な景色を作る曲になっているんだというのを拝見できることは、放送で音楽を届けていくことの意味を改めて実感しますし、僕たちのやりがいとしては非常に大きいです。

ラジオ局がこういうイベントを主催することで、実際放送を届けるスタッフやDJたちがそういう瞬間に立ち会えるというのは非常にありがたいことだなと思います。

 

――なるほど!放送を届けているということを実感できるのは嬉しいですね。

 

あともう一つ、ラジオというメディアに接触してもらうきっかけを多く作れる、イベントにはそういう意味があると思っています。

イベントの開催が目的ではなくて、その開催を手段としてそこをきっかけにFM802にアクセスしてもらう。今でこそ色んなサブスクが流行っているからいきなりラジオに辿り着かないかもしれないんですけど、「FM802」っていうのを検索してみたり、FM802のSNSをフォローしてみたり、気になったアーティストがFM802にゲスト出演するのをホームページでチェックしたりだとか。

たとえラジオに辿り着かなかったとしても、そういう接触につながる可能性があるし、細かい接触の積み重ねがいずれリスナーになってもらえるチャンスを作れるかもしれないので、そういう意味もラジオ局がフェスを作る意味としてはあるかなと思っています。

 

――ラジオを聴いている方にアーティストのことを知ってもらえるし、そのアーティストを好きな方からもラジオを知ってもらえるという相互作用がレディクレの魅力ということなんですね。

 

――2年ぶりに開催されるレディクレへの思いや、今年来てくださるお客さんへのメッセージなどがありましたら、教えていただきたいです。

 

レディクレをやるということももちろん目的ですが、withコロナの生活に音楽が不要不急ではないという文化を取り戻したいという思いが強くあって。

それはレディクレにくるお客さんだけに留まらず、まだ色んな事情があって会場に来られなかったり都合が合わない方たちも含めて、今後またコンサートやライブに行こうかなと思ってもらえるようなきっかけの一つになれたらいいかなと思っています。

また、京セラドームに来てもらったことによって「やっぱり怖い」と思われちゃうと、なかなかコンサートに行きづらくなってしまうと思うので、来てくれた方も「また行こうかな?!」「また来たいな!」と思ってもらえるような場所をどうやって作るのかというのが僕たちの使命じゃないかなと思っています。

 

――世界がwithコロナへと転換していく中、フェスを開催する意味もそれに応じて変わっていっているんですね。

 

ネガティブな意味ではなくて、やっぱり難しくなって止まらなきゃいけない時はどうしてもあるので。

それはコロナの状況の話ですけど、そういう時もあるというのは覚悟した上でやろうかなと思っているので、「絶対どうしてもやるんだ!」みたいな、もちろんそういう思いもありますが、あんまりそういう思いだけではなく、その時期のガイドラインに合ったやり方でその時期にできることをやるというのを自分たちの目的としてやり続けたいなと思っています。

 

――その時の状況に合った対策が講じられているフェスだと、参加される方も安心して楽しむことができそうですね!

 

 

ここからはなぜラジオ局で働こうと思ったのか、またこのお仕事のやりがいなどについても伺いました!最後には音楽業界の先輩である今江さんから音楽業界を目指している方々へのメッセージもいただきました!

 

 

 

FM802は音楽を届けようとしている人たちが集まっているステーション

 

――音楽業界がいろいろある中で、なぜラジオ局で働こうと思いましたか?またラジオ局のいいところを教えていただきたいです。

 

ラジオ局で働きたかったというよりFM802で働きたかったというのが大きかったです。

FM802のラジオは音楽が中心にありますし、音楽を届けようとしている人たちが集まっているステーションなので、 そこで働きたいなというのが一番強かったですね。

自分は20代後半から30代に差し掛かるタイミングでご縁をいただき転職させていただいたのですが、40歳になるまでにどういうキャリアを積むかという目標の中での1つの手段がFM802で働こうということでした。

大学生の頃からずっと音楽に携わる仕事をしたいなと思っていて、一社目は音楽に関わるような仕事に就かせていただきました。

30歳から40歳の十年はよりその音楽に向き合っていきたいという思いが強かったので802を選んだというのが1番の結論かな。

 

――転職されるときに音楽業界に繋がることというよりもFM802で働きたいという気持ちが大きかったということですね。

 

働いてくると自分の人生の中での優先順位が生まれてくるんです。

それは最初に言ってくれた家族のことなのか、時間のことなのか、場所のことなのか、お給料のことなのか、仕事内容のことなのかみたいな。大学のときも自己分析するんですが、なかなかそういう発想にたどり着かない。

大学の時の知識だけだと自分の優先順位を決め切れない。僕は正直一社目に行った時に、その辺をなかなか決め切れていなかったんです。

改めて転職するときにいろんな経験を踏まえて優先順位をつけたら、FM802にたどり着いたという感じですね。

 

――FM802に転職されてどういう流れで今のプロデューサーという立場に就かれましたか?

 

資格試験があるような仕事ではなく本人の適性を見て会社が人事で配置しているっていうのが802の実情です。

802のプロデューサーは正社員しかいないのですが、もちろん他局によっては外部のプロデューサーの方がいらっしゃったりとか、フリーのプロデューサーがいらっしゃったりといろんなラジオ局があると思います。

僕の場合は最初に入った部署から人事異動があり、編成部に配属になってプロデューサーになったという流れですね。

 

――そうなんですね。今、ワナラボを読んでくださっている方の中には大学生が多いと思うのですが、学生時代にこれだけはやっておいた方がいいということはありますか?

 

とにかく今振り返って自分を思うと、大学生の当時の判断だけでいろんな取捨選択をしてしまうのがすごくもったいないなと思います。

もちろんそのタイミングでこういう学習をしておかないとこういう資格が取れなくて、こういう研究ができないとかこのタイミングじゃないと留学できないとか、そういう大きなトピックスがある方はそれでいいと思いますが、あんまりいろんな可能性を自分から閉ざしてしまうとその目線でしか無くなってしまう。

10年20年経ったときのことを想像して、もうちょっと広い視野でいろんなものを経験しておいてもらえるといいかな。

とはいえ少しでも興味を持っているジャンルのことがあるのならば業界研究はちゃんとした方がいいと思っています。

 

――業界研究?

 

音楽に携わりたい人も音楽のどういった部分に携わりたいのか、届けたいのか、届けたい場合は曲で届けたいのか、ライブで届けたいのか、実際CDとか音源を作るような仕事に就きたいのか、みたいな部分はちょっと調べるだけで「ああ、意外とここの会社はここの作業はやってないんだ」みたいなことも分かります。

ラジオ局で働きたいと言ってくれる方が多いのはありがたいんですけど、本当にラジオ局で働きたい人はどういうラジオ局に入るべきなのかということを考えることも必要だと思います。

802のステーションで言うと、卓の前に座ってキューを振るのは802の社員ではなく、番組を発注している制作会社のディレクターさんがキューを振っているという仕組みなんです。

他にも何かをしたいと思ったときにその企業をちゃんと研究すればするほど自分のやりたいことと企業がマッチするどうかの判断になると思います。

とはいえあんまり自分から閉ざさないで欲しい、という矛盾したことを言っているんですけど…。

 

――やりたいことがあるならばそれについて調べた方がいいということですね。

 

ちょっとでもやりたいことが見えているのであればそこを少しでも深掘りするような作業はした方がいいんじゃないかなという風には思います。

 

――なるほど。ではこのお仕事をしていて一番やりがいや達成感を感じるのはいつですか?

 

一番やりがいや達成感を感じるのは、やっぱり聴いてもらっている人、参加してもらっている人のリアクションを受け取ったときですかね。

ラジオの放送を聴いたり、ラジオで流した音楽を聴いてそのリアクションを届けてくれたりする人もいらっしゃいますし、ライブ会場に来て感想を伝えてくれる人もいらっしゃいます。

僕が歌っているわけでもないし僕がライブの演奏をしているわけでもないのですが、少しでもその間を取り持てているのであれば嬉しいです。

今考えると、色んな人に音楽を届けるお仕事に就きたいということが僕の大学時代に辿り着いたところだったので、人と人との間に入れていたら嬉しいなと思います。

実際にそこにいるなという風な実感が湧くような瞬間は一番やりがいがあると思いますね。

 

――ありがとうございます。

  では最後の質問になります。音楽業界を目指している方へ一言メッセージをお願いします。

 

おお、一言。

音楽業界以外も見たほうがいいんじゃないでしょうか。(笑)

 

――ええ!そうなんですか?幅広く見た方がいいということですか?

 

そうですね。

違う角度から物事を見るっていうことも絶対に必要だと思うんですね。

自分の中でどんどん選択しその他を排除していくのではなく、他のところも見てみると、意外にそれは音楽業界の物事の流れと同じような感じで動いて、また同じような人と人との関わりで動いているところがいっぱいあるんです。

そういうところも参考にしていただけたらなという風に思います。

 

――ありがとうございます。お忙しい中インタビューをお受けいただきありがとうございました!

 

 

いかがでしたか?

2回にわたってFM802プロデューサーの今江元紀さんへのインタビューの模様をお届けしました。

コロナ禍でのプロデューサーとしての苦悩やレディクレの裏側、音楽業界を目指す方へのアドバイスなど貴重なお話を聞くことができ、ますますレディクレGS当日が楽しみになりました!

お忙しい中インタビューを受けてくださった今江さん、ありがとうございました!

 

今年のFM802 RADIO CRAZY presents THE GRAND SLAMでは、私たち802wannabesが縁日ブース「寄って亭」の企画・運営を行っています。

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